綿菓子と唐辛子
隣にいた勇哉がテレビをつける。
楽しいバラエティでも見ようぜって、気を遣ってくれている。
同時に、買ってきたハンバーガーを開いて、それに食らいつく。
俺はそれを横目で見ながら、少しだけしなってしまったポテトを1本ずつ口に運んでいた。
『それでは、続いてのニュースです』
「ん〜〜、なんかちょうどニュース番組と被ってて、バラエティやってねぇわ。DVDか何か借りてくりゃよかったな」
「いーよ。どうせ合間合間のやつだろ。そのうちすぐ切り替わるって」
「そーか?」
少しだけ不満そうな顔をする勇哉の横で、俺もハンバーガーにかぶりついた。
あまり食べたくないと思っていたそれも、ひとくち食べてみると、やっぱり美味しくて。
…いつもと同じ、味がした。