アドラーキャット



「そういえば、俺もこの下宿にすることにしたんですよ。」

「えっ、本当に!?やった‼」

祐介くんと同じ下宿ということに喜んで顔を上げれば、ボトッと苺を落としてしまった。

「荻野目くんは、実家?」

コクリと頷く荻野目くん。

「荻野目も、一人暮らし経験してみたらいいのに。」

「そうだよ楽しいよ。」

モグモグと、口に詰めていたケーキを飲み込んでから荻野目くんは一言。

「めんどくさい。」


私と祐介くんはどうしようもないなこの子、と心の中で思った。


あとケーキを三人で分けると最後の方で生クリームが気持ち悪くなってくる。


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