そしてキスからはじまった
そんなことを思っても俺はジュリアを自由にしてあげれない・・

契約のこともあるし、

俺はあの日以来ジュリアを抱かなくなった。

2ヶ月ほどたった日、親父から呼び出しがあった。何だか悪い予感がしてすぐには行かなかった。
行ったのは呼び出しがあってから何日もたってからだった。

事務所に入った俺に親父が封筒を出した

厚みがある封筒・・

「これは?」

ふ~とタバコを吐き出して親父が言った

「・・紫音が置いていった」

「紫音が?」

腑に落ちない俺は聞き返した

「ああ・・150万ある・・これでジュリアを早く自由にして欲しいそうだ」

「ジュリアを?俺と暮らしてるって知ってるだろう?」

「ああ・・契約のことも知ってたよ・・この金で自由になったジュリアがお前を選んでもいいそうだ・・
それと・・ジュリアには金の事は言わないで欲しいとも言っていた」

「何で?・・」

「ジュリアの事が本当に好きだってことだろうな・・

傷つけたからとは言っていたけど・・」

俺は金をそのまま親父に預けて事務所を出た

ジュリアを早く自由にしてやりたい?俺を選んでもいい?自分のものにならないのに?
150万もそのために使うというのか・・一年後には契約が切れるのにただ早く彼女を自由にするために?
俺には出来ない・・
俺は・・ジュリアを思う気持ちまであいつに負けたのか

ハハハ・・何やってるんだ俺は・・

笑いがこみ上げてきた・・

通行人が俺を怪訝な顔で見る・・

そんなことに構わず笑い続けた。
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