そしてキスからはじまった
女慣れして遊んでいる風がどうも好きになれない。

私にタクシーを呼んでくれ、お金をくれるぐらいの優しさはあるんだからそんなに悪い奴じゃないんだろうけど

そしてこのクラブに来るときはダリアは彼と何処かへ消える・・

私といえばそのまま帰るのがほとんどだけどやっぱり会ったその日にというのは抵抗があって

ジャンがダリアに気がついて手を挙げて

「こっちへ来いと」というように手まねきをする。

ダリアはニコニコしてジャンのところに行って抱きついた。熱いキスをし始めた。

「ハ~」いつものことながら私は無視されている。

「ふふ」ジャンの影になって見えなかった。テーブルにもう一人の人がいた。

柔らかく笑う人・・少し長めの金髪で青い眼・・

白いニットのセーターにスリムな白いパンツ・・

どうぞとすっと立った姿が綺麗で

見とれる私の手をとって席に座らせてくれた。

王子様という言葉がピッタリの彼は微笑みながら

「僕はルイ・・今年16歳になるよ」と言った。

「あっ・・私はセシリア・・15歳・・」

じっと見つめる彼に恥ずかしくて目が合わせられない・・

そんな私を落ち着かすためか自分はピアニストの父親について世界を回っているピアニストの卵

リヨンにもコンサートできた。学校にもあまり行けないけど土地土地で友達を作って仲良くしてもらっている。

モデルも少しやっていてそれでジャンとも知り合った。

ジャンってモデルなの?知らなかった・・そういやかっこいいかも

彼には負けるけど・・そんなことを考えていると時間はあっという間に過ぎた。


何処かへ行くというジャンたちとともにクラブを出て私は彼と二人になった。

離れたくないという気持ちはあったけどそれを言えるほど仲良くなってないし勇気もない

タクシーに乗って帰るかと思っていた。


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