そしてキスからはじまった
中に入れてもらったはいいけどなんだか居心地が悪い

おばさんが彼を台所のところまで連れて行って小声で話している。

「どうして入れたのよ・・私はリリィに口止めされてるのに・・」

「おばさんに?どうしてだよ」

「心配させたくないからでしょ」

「連絡取れない方が心配だろう・・そうだ本当のことを言って帰らせてもらえないかな」

「何言ってんのよ!あんたは」

「俺は本気だよ。残りの借金は俺が働いて返す。・・すぐには無理だけど・・」

「お金がないのに余計なこと言わないの!」

丸聞こえなんだけど・・

「あ~もうこんな時間・・リリィのところに行かなきゃ」

「おばさんとこ?病院へか?」

彼の声が少し大きくなった気がする・・気のせい?

「そう・・着替えを持っていかなきゃ。・・じゃあアランお客様をヨロシクね」

「えっ、ちょっと・・送っていくか?」

「バスで行くからいいわ」

おばさんは少し大きめの荷物とカバンを持って奥から出てきた。

「ごめんなさいね。ちょっと用事があって」

私に挨拶をして急いで出て行った。

アランという息子が出てきたけどなんだか気まずい・・

病院・・って言ってたなあ・・おばさんに付いて行ったほうが様子を見れるし・・そうしよう

「私もこれで今日は突然お邪魔してごめんなさい。」

「ああ・・じゃあな」なんだか意味深な微笑みながら

玄関の戸を開けて送り出してくれた。

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