そしてキスからはじまった
「ジュリア?」うつむく私の顔を心配そうに覗き込む紫音の顔…

「ごめんなさい。ぼーとしてた」

良かった…もう少しで泣きそうだった。
私は誤魔化すように笑顔をつくった

じゃあ次の店に行こうと私の手をとった。繋がれた手が熱い…

私の手を引っ張るようにお店に入った。

アクセサリーのお店だった。

可愛い…ピンクの花をモチーフにしたシリーズ

この花は…桜…?

この花の木のしたにお父さんのメガネケースを埋めたんだ

この指輪…欲しいなぁ

でも私には高い。残念だけどあきらめよう…

「ジュリア…欲しいものがあったら言って」

紫音はそう言って他のところに行ってしまった…

「マドモアゼル」と呼ばれて声の方を向くとにこやかに微笑んでいる店員さん。

「何か気にいったものはありますか?」

あるけどそんな事は言えない…

黙っている私に彼女は私が気に入ったあの指輪を持ってきた。

「指にはめてみて下さい」そう言って私の左腕をとって薬指に指輪をはめた…

「少し…おっきいかな?」彼女は私の指を取り、はめた指輪をまわした

「少しお待ち下さい。」

私は指にはめた指輪をながめた。

いいなあ…いつか買おう!でもそのころにはもう無いだろうけど…

さっきの彼女は左手の指輪を抜いて他のシンブルな指輪をはめた。




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