そしてキスからはじまった
オーナーからはしつこく誘われた。俺はオーナーと従業員というスタンスを崩さなかった。
ジュリアという恋人がいて俺がベタ惚れで日本から追いかけて来たことも店では話していたから諦めたと思っていた。

そんな6月…俺は道の向こう側にジュリアと40ぐらいの男が喫茶店から出てくるのが見えた。
ジュリアの頭を撫でてから離れていく男を切なそうにじっと見つめるジュリア…泣き出しそうな顔…
あの男は誰?どうしてそんな顔をするの?
切なく、愛しい者をみるような…

俺は嫉妬をし、イライラした。このまま家に帰って問い詰めたい
でもあの男が好きだと言われたら…俺はどうしたらいいんだ
バンと大きい音をさせてロッカーを閉めた。

「どうした?荒れてるなあ。これから飲みに行くけど、行くか?」
バイト仲間のショーンとダニエルが声を掛けてきた。
俺は二人と酒場にくりだした。
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