そしてキスからはじまった
俺はずっとジュリアの事が諦めきれず探し続けていた。
なんで今まで来なかったんだろう。
あの日、俺が嫉妬に刈られてジュリアにひどいことをした日。思えばあの日からジュリアとの関係は変わったのかもしれない。
ジュリアとあの男はこの喫茶店から出てきた。
コーヒーを頼んで持ってきたウェートレスにジュリアの写真を見せて
「ここに男と来たことあると思うんだけど覚えてないかな?」
怪しまれないように笑顔で聞いた。お決まりのように赤くなるウェートレスにもし彼女が来たら連絡ほしいと携帯の番号を渡した。
何度、このやりとりをしただろう?ジュリアの情報が欲しい俺はいたるところで携帯の番号を置いてくる。
デートの誘いに悩まされる日々が続いているにも関わらず。
コーヒーを飲んで喫茶店を出た。

あの男はこの辺りで働いているのだろうか?

日系企業が何社かあるみたいだからそこで働いているのかも
そんな事を考えながら元のバイト先のカフェまできた。
最後のバイト代を受け取るために
振り込んでくれればいいのに…
またオーナーのあの女に絡まれると思うと嫌になる。香水くさくて気持ち悪くなる。
まあ今日が最後だし、ショーン達にも別れの挨拶とジュリアの事を頼んでみよう。
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