そしてキスからはじまった
なんだか騒がしい

何かあったのか・・ライブハウスの周りで従業員がバタバタ走り回っている

孝が青い顔をして

「紫音・・ジュリアを知らない?」

「えっ・・ジュリア?楽屋にいるんじゃないの?」

「それが・・来てないんだ・・リハーサルが終わっていつも通り来てるはずなんだけど・・」

そこへジュリアと仲がいいダンサーの子が従業員に連れられてきた

「孝!ジュリアがいないって?おかしいなあ・・
ジュリアとはリハーサルの後、別れたよ。
いつも通り勉強道具用意してたから
勉強してるんだと思ったんだけど・・」

「どこか行ったのかな?買い物とか・・だったらいいけど」
「買い物って・・あれからもう1時間は経ってるよ
あっ・・そう言えば店の前に車があって・・男が立ってたスーツ着た
えっと・・あの男・・どこかで・・」
ダンサーの子は少し考えて
「あっジュリアにしつこく迫ってた男だ・・何にも無ければいいけど・・」最後はつぶやくように言った。

「そいつは誰だか分かるか?」
俺は彼女の肩を掴んで怒鳴るようにきいた。

「わっ分からないよ・・ただの客だもの」

「とにかく俺はここらの店に当たってみる・・孝はもしかして親父さんがその男のこと知ってるかもしれない・・彼女を連れて親父さんに聞いてみてくれ」

「分かった」

俺達はそれからジュリアを探した

ジュリアを見つけられず例の客の事もわからなかった









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