そしてキスからはじまった
僕はピアニストである父親に育てられた。

ピアニストになるために・・

それしか選択肢がなかったんだ。他の世界を知らなかったから・・

当たり前のこと・・そうだった。

演奏旅行に世界を回る父親・・

家には数ヵ月ごとにしか帰ってこない父は

母親とは僕が3才の時に離婚している

寂しかったんだろう

しょうがないこと・・

誰しもが一人の人を思って入れない

会えなければ心だって離れてしまう

僕は父親と一緒に世界を回ることとなった。

父親は僕を学校には通わせずその土地で家庭教師を雇って勉強させた。

特定の友達が出来ないことは少しの寂しさを僕に与えたが色々な場所での

浅い交友関係は僕に表面だけの社交性を身につけさせた。

それで十分だった

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