*お向かい彼氏*







「あ、ひかる!こっちこっち。」




「祐希~焼けたね!ハワイ楽しかった?」






もちろん浴衣なんてめんどくさいもの女の子同士では着ない。




ハワイ帰りの祐希は相変わらず可愛い。





既に混んでる駅から会場へ向かう。





「旅行どうだった?」



「温泉良かったよ!お肌つるつるになったー。」





「…なんかあったんだ。」




…げ。


訝し気にあたしを見つめる祐希。なんでばれたの?!






会場について持参したシートに腰を下ろす。







「…ひかる、いつもなら1番に光輝さんの話するもん。なんか笑えてないし。」









…やっぱり、祐希は気づいちゃうか。




帰ってから3日経つけど全然笑えない。



外に出たのも今日が初めて。




「ちゃんと話して…?頼ってくれないのは寂しいよ。」





「…うぅ、祐希~!」





泣きそうになって抱きつく。



よしよしって頭を撫でてくれて、祐希がいてくれて良かったって思った。









旅行中のことを全部話すと、ちょっとスッキリ。





聞いてくれる人がいるっていいな…。













< 211 / 331 >

この作品をシェア

pagetop