*お向かい彼氏*
午後の講義が終わると同時に光輝の方から連絡が来て、言われた通りの場所に行くと見慣れた車があった。
「車だったんだ、今日」
「うん。ひかるは一度自分の家帰る?」
「うんー、全然用意してないし。…初めてだね、お泊り。」
どうにも浮かない自分の声のトーンが恨めしい。
運転している光輝の表情は読めなかった。
「…じゃ、用意出来たら光輝ん家行くね。あ、夕飯の食材ある?なかったら私、買ってから行くけど。」
あるって言葉が返ってきたから、初めての手料理だけど…まああるものみてなに作るか考えればいっか。
なんだか距離を残したまま、あたしは一度部屋に帰った。
…まあ、せっかくのお泊りなんだし。
楽しまなきゃダメだよね!!!!
とは思っても、頭の中から夜のことが消えない。
繋がりたいって思ってたのに…いったい私はどうしちゃったんだろう。