時を越えて~タラシ女子と新撰組~





沖田と片華が部屋から退室し、座敷へ向かう背中を女はジッと見ていた。





「やっぱり、片華太夫は新撰組と繋がっとったんどすな……」





柱に置いていた手に力が入り、柱はギリギリと鈍い音を立てた。





眉には皺が寄り、目は釣りあがる、唇をかみ締めながら、二人の背中を見つめていたが、ふと女は考え込む。




そして、かみ締めていた唇に弧が描かれる。





「……そうや、ええことおもいついた」






クスクスと笑いながら踵を返す女の笑い声は、誰に聞かれるでもなく暗闇にとけて消えた。







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