依存症なあたし様



家に着き、鍵を開けて中に入る。


あぁ、久しぶりの家っ……!


病室から持って帰ってきた荷物をリビングに置き、ぐっと伸びをする。


『柚』


後から入ってきた綾がソファに座りながら俺を呼ぶ。


おいでおいでと手招きをしながら。


「うん?」


特に何も疑いもせず綾に近寄ると、手を掴まれた。


かと思えばそのまま引っ張られ、綾に抱きしめられた。


「えっ……?!」


ちょちょちょ、何事っ?!


いきなりのことで頭がついていかず、固まる俺に


『おかえり、柚』


そう綾は囁いた。


その瞬間愛おしいって気持ちが心の中にドッと溢れて、思わず抱きしめ返した。


「ただいま。綾」



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