依存症なあたし様



あたしはその日はなぜか、いつもの学校帰りの道ではなく違う道を通って帰っていた。


そこは車の通りが少ないが人通りは多い。


交差点に人だかりができている。


その中にアイツもいた。


気になって近くに行ってみた。


『飲酒運転らしいぜ』

『早く救急車呼ばないと――』

『まだ若いのに……』


周りからそんな声が聞こえる。


みんなの足元をくぐって1番前にたどり着いた。


あの時見に行かなければショックは大きくなかったかもしれない。


目の前には電柱に追突したトラックと……そのすぐそばで頭から血を流して倒れている男性がいた。


その人は大好きなお父さんだった――



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