届かなくても・・・
出逢い
新学期の朝。眠い目をこすりながら学校に行く準備をする。
今日から私は中2になる。だからいつもより緊張してる。
ごはんを食べて、着替えて、髪を結んで、準備完了!!
「ハルと同じクラスだといいなぁ・・・」
そんな独り言を呟きながら家を出た。

学校に着くと、すでに新しいクラスが張り出されていた。
人だかりの中からハルを探し出し、駆け寄る。
「ハぁルぅぅぅぅぅ!!オヒサじゃん!!何組だった?」
言いながら私はハルに抱きつく。
「リコぉぉ!!オヒサ!!2組だよ!!リコも一緒!!てか重い!!」
ハルが私から逃げる。
「どーせウチは、ハルみたいにスタイル良くないし、デブだし、ブスですよぉ」
ちょっとスネてみた。
「そこまで言ってないし。てかウチ、スタイルも顔も良くないから!!」
ハルはそう言うけど、実はカナリ男子から人気があって、私と一緒に歩いてると姉妹と間違えられることもあるくらい大人っぽい。
でもハルはもったいないことに好きな人がいない。ハルだったら絶対おとせるのに。
「リコ、何ボーっとしてるの?教室行くよぉー」
「え?あ、ゴメン!!待ってぇ!!」
私は走って追いかけた。だけど、ハルは歩くのが早いし、今日は廊下に人が多くてなかなか追いつけない。
そうしているうちに、ハルを見失ってしまった。

しばらくハルを探してキョロキョロしていた。
ドンっ
「キャぁ」
人にぶつかって転んだ。
「あっ、ゴメンね;大丈夫?」
見上げると、ぶつかったのは3年生だった。
「あっ、すみません。大丈夫です。え、え、え、えっと・・・あの・・・先輩は大丈夫でしたか?」
3年生とはあまり話さないので、緊張してうまく話せない。しかもなぜか緊張とは違うドキドキもあって、なおさら話しにくい。
「あははっ。そんなに緊張しなくても大丈夫だから!!俺は全然平気!!人多いから気をつけなね!!じゃっ。」
そう言って彼は人ごみに消えていく。
(なんでこんなにドキドキしてるんだろう・・・・?まさかの一目惚れ!?・・・そんなわけないよね?そんなわけ・・・・・ないよ・・・ね?
あっまたボーっとしてた!!もぉハル探すの諦めて教室行こ!!)
そう思って一歩歩いたとき、なにか踏んだ感触がして、下を見た。
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