恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】




この病室は一人部屋で、わたしには当然、訪れる人もいなく、それからはずっと一人だった。




友恵さんが持ってきてくれた夕食も、一人で食べた。



悪いと思ったけど、食欲がなくて半分くらいは残してしまった。



別の看護師さんが食器を片付けに来て、注意された。



残したらやっぱり、怒られるんだ………




明日からは気をつけよう。
そう思った。



それからは、テレビを見る気分にもなれなくて、ベッドの布団の中に潜り込んだ。




これからのことをいろいろと考えてしまう。




身元がわからなかったらどうしよう、とか、病院にはずっと居られないよね、とか……




そして………




あの、月色の頭をした彼のこと………





なぜか気になってしまう。

どうしてだろう?















.
< 12 / 369 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop