恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
煌くんはため息をついて、そう言った。
わたしらしいって何よ!
もう………
「一回しか言わねぇからな。ちゃんと聞いとけよ?」
「はーい」
わたしが返事をすると、煌くんは愁さんに視線を送り、愁さんが説明を始めた。
「愛依ちゃん、鬼翠には総長、幹部、それと下のメンバーの人がいるのは、前に話したよね?」
「うん」
「そのほかに、もう一人いるんだ」
あと一人?
「その人は、俺達が守るべき人なんだ」
守るべき人………
「大切な人ってこと?」
「簡単に言うと、そうだね。
大切な人だ………
だけど、今まで俺達にはそれになりうる人がいなかった。
だけど今、いるんだ……なってほしい人」