恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
「これ、借りてていい?」
「ああ」
一応確認してから、シャツのボタンを止めた。
「煌さん!」
その時ちょうど、龍くんが現れた。
「龍毅、こいつら頼む」
「はい!」
龍くんに指示を出した煌くんは、わたしを抱き上げどこかに向かう。
「き、煌くん!
わたし……歩ける!」
あの人に見られたら………また……
「今は授業中だ。
誰も見てねぇよ」
煌くん………もしかして……気づいてる……?
そこが気になって、わたしは反抗するのをやめて考え込んでしまう。
そして、その間に煌くんは、屋上へと向かって行った。