恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
どちら様?
その日、倉庫から帰ると、わたしだけマンションでバイクから降り、煌くんは、用事があるみたいでそのままどこかに向かった。
わたしは、煌くんを見送ったあと、マンションの中に入り、家へと足を運んだ。
煌くんが帰って来るまでに、お風呂を沸かして、ご飯作って……出来たら洗濯物まで畳んでおこう。
そう思い、鍵を回した。
あれ………?
鍵………掛かってない………
朝、ちゃんと掛けたよね……?
不思議に思って、ドアをおそるおそる開けた。
見た感じ荒らされた様子はない。
よかった………泥棒じゃない………
………!?
ふと、下の方に視線を向けると、見慣れない靴があった。
ハイヒール………
わたし、こんなの持ってない………
心臓がどくどくと波を打つ。
と、取り合えず中に入ろう。
わたしは、ローファーを脱いで、廊下を歩きリビングへと向かった。