恋する*memory〜記憶をなくしたわたし〜【完結】
いない………
遅かった………
はあ…と、溜め息をつき、考える。
あいつだったら、このまま帰るか……タクシーでマンションに向かうかだ。
でも、ここまで来て……帰るか……?
あいつの目的は……
っ……!!
そこでハッとする。
帰ろう。
愛依が………
俺はまた、バイクに跨がりマンションへと向かった。
何もなければ良いが………
もしかしたら………
あ~~………くそっ!!
マンションにバイクを停め、家まで走った。
鍵が……空いてる。
中にいるのか……?
中は、電気もついている。
「愛依!」
返事がない。
それに………リビングの扉の前には、愛依のスクールバッグが………
いつもなら帰ってきたらすぐに、部屋に置いている。
やっぱり……遅かった………
多分、愛依達が向かった先はあそこだ。
あいつも……愛依には悪いようにはしないと思うが………
俺は、部屋の電気を消し、鍵を掛け、また、バイクに跨がった。