最愛レプリカ

津村の車はなかなか綺麗に保たれていた。

カーステレオから流れる洋楽に合わせて鼻歌を唄う津村。

津村の隣は落ち着かない。帰りたい。

車は街の中心部から離れ、窓に浮かぶ人工的な光も減ってきた。


どこに行く気だろう?
まさか、人気のない所で襲われたりしないよね?

私はだんだん不安になって来た。
その時、車が緩やかに停車した。

私は少し身構えたけれど、津村の呑気な笑顔に導かれて車を降りる。


「わぁ……」


そこで見た物に私は感嘆の声を上げた。
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