最愛レプリカ

「危ない!!」


声にならない声。

耳をつんざくブレーキ音。

突き飛ばされた身体。


それは一瞬の出来事でした。

色々な音が止み、辺りが静かになった時。
少女の目に映ったのはあまりにも悲惨な光景でした。


電柱に食い込むようにぶつかった乗用車。

擦りむいて血が滲む少女の身体。

道路の真ん中で、ぐったりと横たわる……姉。
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