クールな王子は蜜の味
「それでも約束は約束でしょ?」


「梨花じゃダメなんだ、オレ」


「…智ちゃん」

・・・

涙目で見つめられると、

言いにくくなるが、

ちゃんと自分の気持ちは、

伝えないと伝わらない。

・・・

「気負いなく話せるのも、

素直に感情表現できるのも、

寧々のあの柔らかい手も・・・

何もかも、オレにとっては

大事なやつなんだ・・・

アイツといると幸せなんだ」

・・・

「そんなの聞きたくない!」

梨花は何度も首を振り、

両耳を塞いだ。

・・・

でもオレは、

梨花の手をしっかり握り、

耳が聞けるようにした。

・・・

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