アカイ花†Vermilion Flower

「もしもし、リコ
 今から、ちょっと会えるか?

 今日、イズルからお前とのこと
 少しだけ聞いた

 何が合った?」

「ああ、その話なら終わったよ」

「終わったって・・・

 リコ、お前、大丈夫か?」


ベッドに座った私は、深いため息をついた。


「バカ、何、振られた女に
 優しい言葉かけてんの

 私なら、全然、元気
 
 明後日にはギブスも外れる
 だろうし、仕事でも探すよ」

「リコ、今から行くから・・・」

「いいよ、来なくて・・・
 
 来なくていい!
 
 だって、私
 アサヒに会ったら、また
 余計な事言っちゃうと思うんだ

 また、しつこく結婚してって
 言うかもよ

 アッちゃん、困るでしょう?」

「・・・・・・」


私は、貴方を困らせたくないから、明るい声で言うの。


「ほらっ、だったら
 昔の女なんか放っときなよ」

「イズルとは本当に
 その、別れたのか?」
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