アカイ花†Vermilion Flower

その声に振り返ると、貴方はいつも以上に完璧な姿で立ってた。

またまた、シックなスーツがよく似合う渋い男に成長したね。


「そんなもん手に持って

 お前は・・・」


私の携帯電話を、貴方は指差す。

相変わらず、中身は昔からこんな感じだけど・・・


「ねえ、人込みで大きな声で名前
 呼ぶのやめてって言ってるでしょう

 恥ずかしいじゃない

 あっ、そうだ、この間
 ミコの子供達にも先生面して
 注意したらしいじゃない
 
 ほんと、恥ずかしい!」

「ああ、あれは、公共の場で
 お菓子を食いながら
 走り回ってる奴等が悪い
 
 言っておくが、お行儀悪いって
 教えてやっただけだ」

「要らぬお世話だつーの!

 あれっ、レイは?

 今、学校の帰り?

 遅くない?」


元旦那の、仕事等のあれこれは、今も私の脳の中にしっかりインプットされている。


「ああ、会議でね」

「ふうん

 でっ、ここで何してるの?」
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