アカイ花†Vermilion Flower
「ああ、これから仲間と飲むんだ
あっ、お前も一緒にどう?
知った顔がいるぜ、なんせ
次回の個展の話し合いだからな
イズルとか・・・」
いずるさん・・・
「いい、遠慮しとく・・・
それより、ねえ、今度の個展
彼と見に行ってもいい?」
私は、昔の男の前で、ほんの少しの強がりを言う。
「ああ、また案内状送るよ」
「うん、お願い
じゃあ、レイによろしくね」
歩み出した私の足を止めたのは、浅緋だった。
「リコ、あんまりムリすんなよ
お前が頑張ってるって事は
俺が一番知ってる
たまには、サボって息抜きしろ」
浅緋の言葉に、私の中で離婚してからずっと張り詰めていた糸がプチンッと切れた。