アカイ花†Vermilion Flower

「リコ、お前は相変わらず直球だな
 手を出すって意味分かってんのか?

 それに、裁くとか裁かねぇとか
 この俺には難題過ぎて荷が重すぎる」

「またぁ~、そんな弱気なこと言う
 
 アっちゃんはリコのこと
 好きじゃないの?」

「好きだよ
 好きだけど、好きだけじゃねえ
 
 早く大人になれよ
 
 こうなったら、飛び級しろっ」


ふざけた事を言ってみせる浅緋に腹が立った私は、その場にジャンブをして浅緋の頭を叩いた。


「アッちゃんのバカ
 
 飛び級したって、私の年は
 変わんないつーの

 これだから
 美術の先生どまりなんだよ
 
 数学の先生とか英語の先生
 の方が響きがいいのにさ」

「何、美術の先生の奥方が
 お気に召さないようなら
 どうぞどうぞ
 こんな男に愛を与えてないで
 もっと立派な男を探しなさいな」

こんな風に、子供に言って聞かせるようないい方は好きじゃない。
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