アカイ花†Vermilion Flower

「・・・
 いいじゃないの、おじいちゃんの
 勧める人と結婚して、行く行くは
 おじいちゃんの会社、その人と
 あなたでやっていけばいいのよ

 あなた、長女なんだから
 おじいちゃんもそのつもりじゃ
 ないのかしら、もう年出し」


もう、ママったら人事だと思って・・・


「何言ってるのよ
 
 私は美浦家の長女で
 中條家の跡継ぎじゃないんだから

 それに、結婚したら苗字も変わる」

「あらっ、それなら心配ないじゃない
 
 御見合い相手に、お婿さんに 
 来てもらえば

 そう言うことで切るわよ

 ミノル君が来てるのよ

 じゃあね」

「もう、ママ」


一方的に切れた電話に向かって、私は叫んだ。


「ミノルに、継いでもらえっつーの」


母の恋人である稔君は、私達とは同世代の好青年。

彼は、まだまだ若く有望株、ママが彼と再婚して、祖父の持っているもの、その全てを自由にすればいいのよ。

私は、祖父の財産など要らない。

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