アカイ花†Vermilion Flower

「どこか、出かけてたの?」

「うん、お祖父ちゃんの家で
 朝からお説教」

「ああ、この間の・・・
 
 俺も今度、謝りに行こうか」

「ううん、いいよ、面倒だよ」

「じゃあ、挨拶に行こうか

 まずはリコの家に、どう?」


挨拶って、まさか・・・


いずるさんを見つめると、彼はにっこり微笑んだ。


「ねえ、何の挨拶?」

「決まってるだろう

 結婚の挨拶さ」

「それは、まだちょっと早くないかな

 結婚は、もう少し後じゃだめ?」


だって、結婚するなんて話したら、あの人達の思う壺じゃない。


「俺はいいけど

 じゃあ、何が先?」

「一緒に暮らさない?」

「ああ、そうだな、そうしよう

 一緒に暮らそう」
< 190 / 218 >

この作品をシェア

pagetop