アカイ花†Vermilion Flower
「どこか、出かけてたの?」
「うん、お祖父ちゃんの家で
朝からお説教」
「ああ、この間の・・・
俺も今度、謝りに行こうか」
「ううん、いいよ、面倒だよ」
「じゃあ、挨拶に行こうか
まずはリコの家に、どう?」
挨拶って、まさか・・・
いずるさんを見つめると、彼はにっこり微笑んだ。
「ねえ、何の挨拶?」
「決まってるだろう
結婚の挨拶さ」
「それは、まだちょっと早くないかな
結婚は、もう少し後じゃだめ?」
だって、結婚するなんて話したら、あの人達の思う壺じゃない。
「俺はいいけど
じゃあ、何が先?」
「一緒に暮らさない?」
「ああ、そうだな、そうしよう
一緒に暮らそう」