アカイ花†Vermilion Flower

消しゴムを使って貴方が書いた下書きを消そうとしたその時、貴方は言う。


「リコ、俺の絵を消すからには
 ちゃんと自分の絵を描いて
 この俺に見せろよ」

「言われなくても描くよ
 描けばいいんでしょう
 
 何よ、そもそも
 アッちゃんが悪いくせに」

「俺の何が悪い?」

「・・・存在

 その全てが邪魔なの」


貴方の存在は、この私を夢中にさせる。

そこに囚われて、私は身動きひとつ取れない。


「邪魔、よく言うぜ、全く

 絵が描けないのはお前で
 俺が悪いみたいに言うな」


突き放した冷たい言い方は、やめて・・・


「だって、気になるんだもん
 アッちゃんが・・・
 
 気になって絵どころじゃない
 
 少しでいいから一人にしてよ」
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