アカイ花†Vermilion Flower

「よし、行くか

 何、食いたい?」

「そうだなぁ~、ラーメン」

「いいねぇ、行こう」


学校の先生である浅緋とこうして歩く道のりは、私なりには気を使うわけで、二人の関係がバレて大事にならないように少し離れて歩く。


「先、歩くね」

「ああ」


貴方の少し前を歩いていると、行き場所が分からなくて私は何度も振り返らなくちゃいけない。

振り返っては貴方が右を指せば右へ、左を指せば左にチョロチョロすると、貴方はクスクス笑い出す。


「笑わないでよ

 やっぱり、後ろ歩くね」

「ああ」


今度は後ろを歩いていると、スタスタと歩く貴方の足に付いて行くのがやっとでゼーゼー呼吸が乱れ疲れる。

それに、貴方に置いていかれるようで寂しい気持ちになる。

私は、走って浅緋のシャツを掴みそして引っ張った。


「やっぱり、前に・・・」

「ほらっ、手」


貴方は、私へとその手を差し出した。
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