アカイ花†Vermilion Flower

聞こえない・・・聞きたいのに・・・

貴方の唇は動く、『うまかったですね』

その時だった、ほうきを使うことなく手に持ったまま、ボーっと突っ立っている私の名前を呼ぶクラスメイト。


「ミウラさん、こっち終わったよ
 そっち、どう?」

「あっ、うん、終わったよ」

「じゃあ、戻ろうか」

「うん」


私はもう、浅緋の方を見ることはなく、芙美子を待たせている教室へと戻って行った。


『考えさせてよ
 
 お前とのこと・・・』


貴方の答えなら、ちゃんと分かったから


だから、この先も、お願いだから


わざわざ口に出して言わないで・・・
< 54 / 218 >

この作品をシェア

pagetop