アカイ花†Vermilion Flower
「ねえ、アサヒ、眠ったの?」
背中を向けて眠る浅緋の声。
「いやっ・・・」
「だよね・・・
ねえ、キスして
おやすみのキスだけでいいから」
貴方は何も言わず振り返り、私の唇にチュッと軽いキスをくれた。
「そうじゃなくて、もっと違うの」
いつもの浅緋なら、ここで絶対、『駄目だ寝る、お前も寝ろ』
そう言ってソッポを向くはずなのに、今夜の貴方は違う。
貴方の唇が触れそうになったギリギリで、私は囁くの。
「今日は、いけなくないんだ?」
ガシッとベッドに手を付いた貴方の中にすっぽりと納まり包まれる私を、貴方は上から見つめる、その妖艶な瞳・・・
「ああ、・・たい気分だ」
「フフッ」