アカイ花†Vermilion Flower

「ああ、わかった、話しておくよ

 リコ、それから式のことだけど
 医者が言ってた、お前の足が
 治る頃に合わせて借り予約
 させてもらえたから・・・

 でも、お前が早く結婚したいなら
 俺は先に籍を入れても構わないぞ」


私との結婚を、貴方も望んでくれているの?


「ごめん・・・
 
 ごめんね、アサヒ」

「何が?」

「マリッジブルーになってアサヒに
 あたったかと思えば
 車にはねられてこんな怪我して
 挙げくに、式は延期・・・
 
 その事務的なこと何もかもを
 貴方一人に任せて

 私は・・・」


いずるさんに魅かれて、彼との時を楽しんでいた。


「リコ、泣いてるのか?
 
 頼む、泣かないでよ

 風呂上りで酒飲んじゃったじゃん」

「ズズ、泣いてないよ」

「泣いてんじゃん」


電話から、チャランと鍵の音が聞こえた。
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