アカイ花†Vermilion Flower
『もう、病院への送り迎えは
必要無い・・・』
彼に会えなくなるのは、堪らなくツライ・・・
私はこんなにも、いずるさんのことが好きになっていた。
しばらく時が過ぎた頃、ピンポーン♪とベルの音が鳴った。
「は~い、どちら様
あらっ
リコ、あなたにお客様よ」
私の想いが届いてしまったのかと、私は息を飲んだ。
「どうして・・・いずるさん」
「明日、急用で君の病院へは
付いて行けそうにないんだ
これからじゃ駄目かな?」
「開いてるとは思うけど・・・
いずるさん、アサヒから
何も聞いてないの?」
「聞いたよ、さっき
だけど、俺は君の足が治るまで
病院へは付き添いたい
こんな話、迷惑かな?」
私達の話を聞いている母の前では、これ以上は話せない。