嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い
 現実に志田さんと肉体関係を行っているのだ。

 落ち着いたところで、俺たちは語り合いを始めた。

「まさか、志田さんと寝るなんて思いも付かなかったよな?」

「たまにはイイんじゃない? こんな事も経験するのも、大人としての行動だよ」

「だからと言って、俺がアンタの浮気相手だなんて」

「不愉快な気持ち?」

「複雑な気持ち」

 志田さんは俺の鼻先を人差し指でチョンチョンと軽く叩いて言う。

「あまり深く考えないの。田代君は私からの思いを受け入れるだけでイイんだから。私みたいに、親身になって癒してくれる女なんて…そう、ザラにはいないのよ」

「それは、そうかもしれないけど」

「私に感謝しなさいよ」

 感謝しろ…ってか。

 ま、イイっかな?

 俺は高校時代に思いを馳せた。
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