魔法?そんなのありえないっ!?




「それで、よ!蘭。
貴方には姫様になって欲しいの!」



「…は?」



多分、今日この言葉に
1番驚きました。



「あー…アリだな」



いや、アリっていうか…
何をおっしゃってるのか。



「でしょ?
蘭なら国籍なんかも分からないし、
背格好も髪の長さも、雰囲気も
似てるわ!
姫様が行方不明の間だけで
いいの!!お願いっ」



ズイッと寄ってくる
ミーシャさん。



「いやいやいや、そんなの
絶対すぐばれますよ!
てゆうか、私は今すぐにでも
家に帰りたいんです!」



面倒ごとに巻き込まれるのは
昔から嫌いだ。


まぁ、そりゃ今日ちょっとは
楽しいとか…
思ったけど…



こんな夢みたいな世界は
一日だけでいい。



「大丈夫よ。顔なんかは
魔法でなんとかするから!」


あ、今まで言わなかったのに
『魔法』って言いやがった。


やっぱり、魔法なんだ。



「それにね、どちらにせよ
貴方は帰れないの。」



「え??」




何ですと?!




「さっき、空間移動の為の
異次元が破壊されてね……



ってことで、お願い!!!」



パンッと手を合わせて
私に頭を下げるミーシャさん。



って事で、じゃねーよ。
嘘でしょ…



でも、多分ここで姫様に
ならなかったら私はこの世界で
行く所がない気がする…
(つーか、絶対そう!)



でも、姫様って想像も
つかないような大変な生活
してそうだし…
なんていうか、命が危なそう…



そんな私の考えを
読んだかのように、
ルイが口を開いた。



「お前の事は俺が守ってやる。
だから、姫の代わりしてやれ。」



「……」



「あんたねぇ、何その言い方!
もう少し頼み方ってのが…」



「あーうるせ」



「……良いですよ。」



「え?」



ルイを見てたミーシャさんが
バッと私を見る。



「ルイが…守ってくれる
ならいいです。」



「…ほんと?!
良かった…」



何でだろう、でも、
ルイの言葉で決心が
ついたんだよね…










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