皇帝のサイコロ
忘れろだなんて言われても、忘れられないだろう。

それくらい全てに惹かれていた。

好きだった。

自分の行動に少し後悔する。

「兄さんって失ってから気がつくタイプよね」

「有紗でもいいから俺の彼女にならない?ポテチあげるから」

「あはは!遠慮します」

そう笑って、首を軽く横に振った。

肩で内側にカールしている茶色の髪がふわりと揺れた。
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