皇帝のサイコロ
「彼女さん。同棲までしてたのに」

「ああ、そっちか。うーん」

アイスの溶けかかっている一部分を急いで食べ、考える。

周りの女友達で真実子以上に気が合う人は今のところいない。

何だかんだで身体の相性も良かった。

あ。

思い返せば俺、真実子の処女を……。

「綺麗だったよね、彼女さん。もったいない」

妹の言葉が遮ってくれた。

危ない。

もう少しで初めてのシーンを回想して地味に興奮するところだった。

「まあ、そうなんだよな」

図星だ。勿体ない。
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