皇帝のサイコロ
13時になり、別の番組が始まった。

26歳最後のこの日、しておきたいことはなんだろう。

このままダラリと過ごすのも勿体ない。

どうせなら今からでも、いつもと違う日常を送りたい。

……そうだ!

公共の乗り物を使って遠くまで行ってみよう。

1万円を財布の中に入れて近くのバス停へと歩いた。

ワクワクしている。

まるで夏休みの小学生のように。

5分程バス停で突っ立っているとオレンジ色のバスがやって来た。

「市駅行き、市駅行きです」

整理券を取り、一番後ろの席へ座った。
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