マン喫LOVE
いつも緩やかに流された前髪は無造作に覆いかぶさり、


艶っとした口元には無精髭が。



それでも黒縁のメガネの奥は、あのセクシーな瞳がギラっとしていた。



今1番抱かれたいだかなんだか知らないけど、そんな男にキャーキャー


言ってる普通の女には見られたくない、変なプライドなのか、


奴を知らない振りをすることにした。


「あ~これ?・・・・次読みます?」


新刊を奴の目の前でヒラヒラさせた。


「マジ?!読む読む!」


ボサボサの子犬のように奴は喜んだ。


「読んだらまわしますね」


と別れ、いつものスペースに入りドアを閉めかけると、



後にしっかりついてくる奴がいた。



「え?!何か?」



「一緒いいっすか?」


思いもよらない展開だ・・・・・。


この極小スペースに抱かれたい男No.1と一緒?????


「え?!何で?」


「早く読みたいから」


本当に子犬に見えてきた。


「っていうか・・・・それじゃプレッシャーなんですけど・・・・」


「邪魔しませんから!」


奴は子犬のように上目遣いで訴えてきた。


・・・・負けた・・・・。





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