今日も、明日も、明後日も
「……勿体無い」
「まぁそれは俺もわかってはいるんだけどねー」
わかってはいるけれどやる気にもなれないのだろう。彼は笑い混じりでひょいひょいと箸を進める。
「言っておきますけど、私は結婚するなら家事分担ですからね」
「え!専業主婦とかじゃないの!?」
「仕事はまだまだ続けます」
「うちの会社の女の子はみんな『結婚して寿退職からの専業主婦』ってギラギラしてるから、てっきりみんなそんなもんなんだと……」
「それは個人差です。少なくとも私は、自分の分は自分で支払える程度の稼ぎはしたいです」
「わーお、堅実」
そういえば彼の会社は最近右肩上がりで、格好良い男性が多ければその妻の座を狙う女性たちも美人が多いって由香里が言っていた気がする。そんな女性たちを見慣れてしまうと、彼の感覚も狂ってしまうのだろう。