今日も、明日も、明後日も
「いやー、嬉しいなぁ。結婚するなら、か。じゃあ家事頑張らなきゃねぇ」
「……違います。そういう意味じゃありません」
「照れない照れない」
からかうように言う彼に、私は無言のまま食事を続ける。
「ってあれ、無視?怒った?ごめんね鈴ちゃん、ごめんってー!」
別に怒っているわけじゃない。驚いた、だけ。彼に言われて気付いたから。
『結婚するなら』、その前提があったうえで、自分が会話をしていたことに。
無理、ありえない。
そう思っていたのに、何気なくこぼれた言葉は可能性を持っている。