今日も、明日も、明後日も



その時、突然後ろから抱き締めるように回された腕。



「俺はやっぱり牛肉かなー、豚もいいけど。うん、牛肉」



それは、今日も私の帰りを会社で待っており、ついでに一緒に買い物についてきた伊織さんの腕で、私は無言でその手をぎゅっとつねると牛肉を一パックカゴへ入れ隣のコーナーへと向かう。



「あはは、容赦ないつねり方するなぁ」

「ベタベタしてくる方が悪いですから」

「ごめんなさーい。けど、それでも要望聞いて牛肉にしてくれる優しい鈴ちゃんが大好き」



めげない彼は、つねられた手を痛そうにさすると、そう笑って鼻歌混じりで後をついて歩く。



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