今日も、明日も、明後日も
それからしばらくの時間が経ち、見上げた掛け時計は短い針が5を指していた。
いつの間にか、もう5時。誰かと過ごす時間というのは、どうしてこうも早いのだろう。そんなことを思いながら、私は目の前の空になった湯呑に目を止めた。
「伊織さん、お茶淹れてきますけど飲みますか?」
「……」
「……伊織さん?」
かけた言葉に、珍しい無言の返事。
寝転がったまま黙り込む彼にどうしたものかと覗いて見れば、そこには睫毛を伏せすやすやと寝息をたてる姿があった。
「……すー……」
寝ている……。
その姿は少し以外で、この人もこうやって油断しきった姿を見せるんだ、と驚いてしまう。
……まぁそうだよね、平日は毎日朝から来て仕事行って夜に帰って。今日も朝から来て……疲れるよね。
何でそこまでして通うんだろう。それで自分が疲れちゃ、意味がないのに。