今日も、明日も、明後日も
そう。そもそも伊織さんが私と結婚なんて言うのは、おばあちゃんからの手紙にそう残されてたから。
おばあちゃんが願うから、恩を返したいから、だから私と結婚する。
例えそれが彼の本心じゃなくても。
「……まぁ、そう考えちゃうか」
「うん。……いい人だから、こそ」
急須に茶葉を入れ、お湯を注ぐ。そんないつも通りの動きの音が、静かな室内に響く。
そんななかで、由香里は困ったように小さく笑う。
「けどさぁ、最近鈴変わったよ」
「変わった…?」
「なんて言うか、柔らかくなった気がする」