今日も、明日も、明後日も



出来ない、よ。

なかったことになんて出来ない。



だってもう手遅れ。

彼がいた、たった一ヶ月。そんな僅かな期間だけで、この家の至る所に彼の残像が焼き付いているんだ。



『おっ、今日はコロッケだ!嬉しいなー♪』



台所には、夕飯を覗きにくる笑顔。



『千鶴子さん、』



居間には、仏壇に手を合わせる横顔。



『やぁ、鈴ちゃん』



玄関には、ひらひらと手を降る優しい瞳。




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