TABOO†ムスクに抱かれて~秘密の恋
彼の手に顎を掬われて仰け反る私に、
真上から逆さ向けになった慧の美しい顔が近づいてくる。
…うそ…
スクリーンの光を受けて凄みを帯びた彼の目が、私を射抜いたまま唇が深く重なった。
咥内を舌で掻き回され
「っ、…んぅ、ぁあ…」
襟元から差し込まれた彼の指で胸の先端を弄られた。
あれほど見たかった映画は、気がつけばエンドロール。
慧はスッと身を引くと、振り返って目で追う私の唇に人差し指を当てた。
『…ひみつ』
そして気配を殺して、まだ暗い館内からスルリと出て行った。