愛してる
一年の教室前



海斗が叫ぶ。




「前原香織ちゃんいますか~??」




一人の女の子が振り向く。




「はい?


あっ。海斗先輩!!どうかしたんですか?」




俺は小声で海斗に言った。




『おい。

そいつアンパンマンじゃねぇぞ』




「そんなんわかってる。


可愛くなかったんでしょ?んじゃこの子じゃない。


でも、この子に探してもらったほうが楽っしょ?」



『まぁそうだけど…


でも、手伝ってくれんの?』



海斗が最高の笑顔を向けてきた。


俺はあることが頭に浮かんだ。





海斗、この子と―


…考えないほうがいいのかもな。



「…ほれそのハンカチ香織ちゃんに見せて」




俺がそんなことを考えてる間に話しはどんどん進んでいったらしい…




俺がハンカチを渡すと香織ちゃんは驚いた顔をした。



「…!?


これあの子のだ。
ってかあの子意外ありえない」


『誰かわかったの?』


「え…


あっ、はい!」




―かすかに顔が赤い…




年下はダメだぞ。俺




『じゃあその子連れてきてくれないかな?』



「はい!わかりました!!」



香織ちゃんが去った後海斗が話しかけてきた。



「あの子愛瑠に惚れちゃったみたいだね」



『はぁ?誰が誰に』



「だーかーらー香織ちゃんが愛瑠に!!

あの子可愛いからゲットするのに時間かかったのに…



愛瑠が見つめるだけで落ちるなんて…


意外と上手だったのに…」




―やっぱコイツ香織ちゃんと…


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